ということで、まずは、オーソドックスに順張りスキャルピングのEAを作ってみたいと思います。
大まかにトレードを考える
トレンドができているときで、少し戻ったときにトレンドの方向に順張りでポジションを取ります。
スキャルピング的に狙うとして、利幅は10pips程度を狙います。利幅が少なすぎるとスプレッドで取られる割合が大きくなるので統計的には不利です。
損切幅も同じにして、勝率60%を目指したい。
- 通貨ペア とれあえず EUR/USDスプレッドは狭いし、世界的にも流通量が多いから安心。
- 売買の方向
- 上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売り
- トレンドの向きの判断 移動平均線の上に現在値があれば上昇トレンドで買い。移動平均線の下にあれば下降トレンドで売り。
- 仕掛けのタイミング ストキャスティクスが20以下で買い、80以上で売り。
- 決済 利食いと損切を等幅で、仕掛けのときに同時発注
こんな感じで、トレードのイメージを膨らませていきます。
大きな枠でイメージを考えておいて、メモを残しておかないと、今後、活用して変更して別のものを作ろうとしたときに、「何しようとしてたんだこれ?」となって、元の木阿弥になってしまいます。
大枠のイメージは大切です。
具体化していく
膨らませたトレードのイメージをプログラム化するために具体化していきます。ここで、更に必要なことを思いついたときには、トレードのイメージに書き出しておきます。
フローチャートはこんな感じで、雛形をそのまま使えます。
トレンドの判断と移動平均
トレンドの判断方法は色々あります。今回はシンプルな方法で、移動平均線と現在値を比べる方法を採ります。
移動平均はその時間から「過去の」値段の平均値。期間が長いほど過去の影響が強くなります。
上昇トレンドだったら、過去の影響が強い期間の長い移動平均線より、期間の短い移動平均線が上になります。また、移動平均線より現在値は高くなります。
下降トレンドの場合はこの逆ですね。
上昇トレンドと移動平均線 上昇トレンドのときは移動平均線より価格は上側になる。 |
上の図はEUD/JPY 5分足 移動平均線は48本分(4時間)
トレンドではなく、レンジ相場のときには下図のようになります。
移動平均線はほぼ水平(この表現は具体的じゃないですけど)になり、価格は移動平均線を跨いで上に行ったり下に行ったりします。
レンジ相場と移動平均線 レンジ相場のときは移動平均線がほぼ水平になり、 価格は移動平均線の跨いで上下に行ったり来たりします。 上の図はEUD/JPY 5分足 移動平均線は48本分(4時間) |
こんなときに、移動平均線より価格が高いから買い、安いから売りを繰り返すと確実に損をしてしまいます。
この状態では、移動平均線より価格が高い(買い)ときには、ストキャスティクスも高く(売り)なり、移動平均線の価格による判断とストキャスティクスの判断が揃いません。こんなときにはトレードをしないことになります。
ストキャスティクスを組み合わせると、レンジ相場での損失は避けることができます。
初期設定
必要な値
- 現在値
- 移動平均・・・期間は?
- ストキャスティクス・・・期間は?
- 利幅・・・スキャルピング的な狙いなので10pipsからいきましょう。
- 損幅・・・スキャルピング的な狙いなので10pipsからいきましょう。
ですね。
シンプルなものなので案外少ない。
発注処理
仕掛けの条件
既に持っているポジションが無いときのみ買い建て
現在値>移動平均 かつ ストキャスティクス<20
売り建て
現在値<移動平均 かつ ストキャスティクス>80
ポジションある時の処理
決済
仕掛けと同時にOCOで決済注文を出すので放置まとめ
メタトレーダーでEAを作るのは、EAの雛形さえ作ってあれば、案外かんたん。取引の大枠をイメージして、EAのために具体化していきます。
ルールーがシンプルなのでEAもシンプルなもんでしょ。
実際のコーディングは次回以降に